メカクシティアクターズと、オタク文化のイオンモール化と、ミームの継承
メカクシティアクターズっていうなんかカゲプロのアニメみたいのがあるらしいので見たんですよ。
カゲプロはカゲロウデイズの動画以外なにひとつ知らないし勿論小説も読んでいないので、評判通り全然わからんかった。
わかったことと言えば、Amazonのない世界で、初音ミクみたいな伺かをPCで飼ってるヒキニートの主人公がアキバヨドバシにキーボード買いに行ったら拉致られたことくらい。
まあそれはいいとして。
ミクっぽい「エネ」ってキャラが、すごくオタサーの姫っぽいと感じたのですよ。
「オタサーの姫」については、「キモオタに媚を売って承認欲求を得るオタク女子、と定義しておく。
エネはデスクトップアクセサリーで、ご主人様たるキモオタに媚を売って気に入られる(=ソフトウェアを愛用してもらう)ことが至上命題である。このメンタリティはまさにオタサーの姫そのものであろう。
カゲプロはよくある再生産コンテンツで、これらには時代に合わせたネタとか、対象の子供たちが好きそうなものが色んな場所から収集されてちりばめられていて、オタク文化のイオンモールみたいなものとして機能しているんじゃないかと思う。
地方の若者がイオンモールに行って「ああこれが都会の文化なんだ」って思っちゃうように、日本全国のオタクの素養を見せ始めた中高生たちは「ああ、こういうものなんだ」と染まってしまう。
イマイチ冴えないオタク女子がどうにかして男にチヤホヤされたくて参考にするのは、こういった流行ってる作品に出てくる可愛らしい女キャラだろう。
彼女らはきっとエネやモモをベースに、オタサーの姫への階段を上っていく。
様々なオタサーの姫たちのステレオタイプとしてメカクシティアクターズのエネやモモが生まれ、それを見た若いオタク女子がそれをベースにオタサーの姫に育つ、というオタク作品の再生産と同時に、オタクユーザーの再生産がこのように行われている。
現役世代のさまざまな作品をベースにしたさまざまな個性のあるオタクミームは、クリエイターによって寄せ集められ、一緒くたにミキサーにかけられ、裏ごしされ、均一化されたペースト状態になって次の世代に配膳される。給食のように。
それを主食として育った次の世代は、その土台の上に個々の個性や感性、さまざまな体験をトッピングする。その結果、次の世代のオタク文化は今の世代とは一定の共通項をもちつつも、また少し違うものになるのかな、などと思った。
ちなみに、メカクシティアクターズの作品そのものの感想としては
というかんじでした。
シャフ度もあるよ! 物語シリーズと比べると随分低予算で劣化してる気がするけど多分気のせいだと思います。